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歯周病③(歯周病とアルツハイマー型認知症)

近年、認知症は発症率が増え続けている病気の一つでもあります。

その認知症の中で一番多くの方が発症するものがアルツハイマー型認知症です。

年齢を重ねるにつれ心配になってくるアルツハイマー型認知症ですが、最近では歯周病とアルツハイマー型認知症の関係性が明らかになってきました。

一見全く関係のなさそうな二つの病気。どのような関わりがあるのでしょうか。

歯周病とアルツハイマー型認知症の関係

アルツハイマー型認知症はアミロイドβやタウタンパクといったタンパク質が異常に脳に溜まり、脳が委縮してしまうことが原因で起こります。また、この委縮は脳の中でも海馬という器官から始まります。この海馬は、記憶に関係する器官で、委縮してしまうと新しい出来事を覚えていられなくなり、古い記憶しか記憶できなくなってしまいます。

このアルツハイマー型認知症、歯周病菌が大きな原因なのです。

歯周病菌の中にはポルフィロモナス・ジンジバリスという、歯周病菌の中でも最も病原性の高い細菌があります。
歯周組織を破壊することで歯周病を進行させ、さらには毛細血管の細胞を破壊することで血流にのって全身に運ばれて行くとても怖い歯周病菌なのですが、このポルフィロモナス・ジンジバリス菌がアルツハイマー型認知症と深く関わっています。

ポルフィロモナス・ジンジバリスは血液中の鉄分を食べることで増えていき、ジンジパインという分泌物を菌の外にだします。
このジンジパインはたんぱく質(アミノ酸の塊)を細かくすることにより、アミノ酸を得て命の糧にします。たんぱく質は人の身体の中で水分の次に多い物質ですので、ジンジパインがたんぱく質を分解していくというのは、身体を破壊していってしまうようなものです。

マウスによる実験では、このフィロモナス・ジンジバリスをマウスの口腔内に投与した後、ジンジパインが海馬に存在することが判明しました。
そしてジンジパインが神経変性を起こすことで、アミロイドβ・リン酸化タウ(アルツハイマー型認知症に関係のある物質)が海馬に溜まってしまうことが明らかになりました。

つまり、お口の中の歯周病菌が脳(海馬)に到達して、アルツハイマー型認知症の原因である物質が海馬に増えてしまっていたのです。

また、実際にアルツハイマー型認知症の方の海馬を調べたところ、広範囲にジンジパインが溜まっており、病期の進行に応じてその量は増えていることも明らかになっています。

 
このように、アルツハイマー型認知症を引き起こす主な原因は歯周病であることが分かってきています。

歯周病は成人の多くの方がかかっている病気ですが、自覚症状が出るころには手遅れの場合がほとんどです。
普段からお口のケアを行い、歯周病予防をしましょう。

何か歯周病について気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

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