「歯周病」という言葉はよく知られていますが、この病気の怖さをはほとんどの方が知りません。
非常に怖いのは歯周病が悪化すると最終的に歯が抜けてしまうことです。
また、「糖尿病」「脳卒中」「肺炎」などの病気と関連がある場合があります。
そんな怖い歯周病も対策により、予防することが可能です。
抜かない、削らない治療
検査と診断からの治療計画立案
「少しチクッとしますね」と歯茎を「ツンツン」されたことがある方も多いかと思います。
これは歯周ポケットを測定(ブローピング)しているのです。この測定により歯周病の進行度合いを確認しどの治療をすべきか判断しています。
歯周病治療ではこの検査が大切なのです。
この検査は1度だけではなく定期的にすることが避けられません。現在の進行状況を確認せずに治療を判断ること変わりないからです。
また、「スケーリング」と呼ばれる歯周病の一種である歯石を除去する治療があります。
このスケーリングを麻酔をし治療をされた経験がある方は少ないかと思われます。
歯周病の悪化より歯周ポケットができます。これは、骨が溶け、歯と歯茎に隙間ができることです。そして、歯周病菌がこの歯周ポケットの奥にどんどん入り込んでいきます。つまり根本的な治療をするために、奥に入り込んだ歯周病菌と歯石を除去しなければいけないのです。
当病院ではどうしても痛みを伴うスケーリングを麻酔を使って治療をします。
歯周病が悪化すると麻酔をせずに治療できる部分の、歯肉の上の部分に付着している歯石を治療しても意味がありません。それは、もっと奥で歯周病が進行してるからです。
そして丁寧に奥の部分を除去しないと、最終的に抜歯しなければならない可能性が待ち受けています。
医療は検査や診断にもとに「治療計画」を作成し治療を進めていく必要があります。そして基本的な治療をした後に、再び検査を行い検証をします。問題が改善したら、状態を維持するためのメンテナンスに移り、問題が残ってしまった場合は次の治療に移ります。この繰り返しが大切なのです。
生活習慣病とも言われる歯周病は、治療により治ってもこれまでと同じ生活習慣であれば再び発症します。
私たちは、関わった患者様方に高齢になられても健康なお口で幸せな生活を送って欲しいと思っています。
そして患者様が、歯周病の再発を防ぐ方法があるのにも関わらず、再発してしまう姿はもう見たくないのです。
超音波スケーラー、エアスケーラーによる
効率的な歯石除去
超音波スケーラーとエアースケーラーは両方とも、歯にこびりついた歯石を効率的に除去してくれる機械です。 音波による振動を利用することによって、手作業で歯石を取るよりも短時間で非常に綺麗に除去できます。 超音波スケーラーとエアースケーラーには一長一短があり、患者様に適した方法で歯石除去を行っております。
超音波スケーラー | エアースケーラー | |
---|---|---|
形式 | 振動 | 空気 |
歯石除去効果 | エアースケーラーよりは大きい | 超音波スケーラーよりは小さい |
歯石除去中の痛み | 大きめ | 小さめ |
歯の表面の損傷 | エアースケーラーよりは大きい | 超音波スケーラーよりは小さい |
歯が失われる1番の原因
歯が失われる1番の原因は「虫歯」ではありません。 実は「歯周病」によって1番失われているのです。 統計では、30代以上の約8割以上が歯周病にかかっており、 虫歯よりも患者が多いのです。 虫歯と異なり、基本的には歯周病には痛みがありません。そのため、気がついた時には手遅れとなっていることがほとんどです。また歯周病の悪化で、強烈な口臭が自覚症状がなくても発生しています。 そして、口だけではなく全身の様々な病気との関係が歯周病に多く寄せられています。最悪の場合、歯周病によって命を失う可能性がある非常に危険な病気です。 このことについて次から説明していきます。
歯周病と全身疾患について
歯周病が原因により、他の病気を発症する可能性があります。 次のものが関連があるとが報告されています。
糖尿病が歯周病との関連が特に深いと言われています。 糖尿病の人は感染に対する抵抗力が弱まっています。そのため歯周病を発症しやすく、重症化しやすいのです。さらに歯周病菌はインスリンの効能を薄めさせる、毒素や炎症性物質を大量に放出されます。つまり、歯周病が悪化すると、糖尿病が悪化する可能性が高いという危険があります。
また妊娠中の歯周病の悪化は早産の確率が高まり、赤ちゃんにも悪影響を及ぼす可能性があります。 妊娠中でも歯周病の治療は可能です。そのため、安定期である4〜8ヶ月に治療を受けることをおすすめしております。
このように、歯周病は歯を失う危険性だけではなく、全身疾患にも関連しうる命を失う可能性がある病気です。恐ろしい病気であるという認識を忘れないでください。
いつのまにか進行する歯周病
歯周病は自覚症状がほとんどありません。知らず知らずのうちに症状が悪化していることが多いです。どこまで歯周病が進行しているかを把握することが、最悪の事態を避けるために大切です。
しかし、進行を把握しても決して安心してはいけません。
歯科医院へ定期的に通わなければ、どれだけ丁寧に毎日歯磨きをしていても、歯周病は進行していきます。
そうならないためにも、早期治療が必要不可欠なのです。
早めの受診をお願いしております。
歯周病に特に大切なのが早期発見し治療することです。
早期発見できなければ、最悪「抜歯」しなければならなくなります。
最近、歯医者の検診を受けていないという方は、早期発見のためにもすぐ受診することをおすすめします。
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